[aaca設立20周年記念事業]
 何有荘(かいうそう)の一日<京都> (平成20年5月31日)

建築、景観の観点からもとても興味深い、京都東山を借景として京都市街を一望できる傾斜地を持つ約6000坪の池泉回遊式庭園「何有荘」。この「何有荘」で何もしないで、その中に静かに包み込まれようという、aacaかんさいの企画『何有荘の一日』が開催されました。
以下、参加された皆様の感想・報告等をご紹介しましょう。


「何有荘の一日」に参加して
社団法人 日本建築美術工芸協会
会長 中島 昌信
 暫くぶりで小雨の京都に参り、京都駅から懐かしい街並みを見ながら「何有荘」に到着しました。予想に違わず、地形を生かした素材しい庭園でした。
 aacaかんさいの西村委員長はじめ、担当の寄神会員を中心とした方々の、行き届いた「おもてなしの心」に興奮、感激いたしました。
 私は迎賓館の建集を担当した武田五一に以前より興味をもっていました。武田五一は辰野金吾の後継者といわれ、京都大学の建集科の創始者でした。
 1951年、私が入社した建築設計部は、1890年J.コンドルが教育した工部大学校造家学科第1回生の辰野金吾と同期である曽根達蔵を伴ってJ.コンドル自身が丸の内建築所を設立した、現存する最古の設計事務所と言っても過言ではないと思います。武田五一は曾根のあと技師長を務めた桜井小太郎と同年代でもあり、典味をもっておりました。
 五一に対して評論家は五一の作品は美しい線をあみ出すことに悦びを感じており、建築をひとつのかたまりとしてより、さまざまな形の集積としてとらえ、むしろ図案家に近い資質と思われる。と云われており、従ってアール・ヌーボーをいち早く日本に紹介した事は理解されます。五一は和洋を問わずアーキテクト
として、はじめて茶室や数奇屋に目を開き、和風の伝統を踏まえた、すぐれた作品を残しております。今回、五一の建築に接する事が出来たのは幸運でした。
心地よい疲れとともに、京都の歴史につつまれた楽しい一日でした。


aaca関西委員長 西村 征一郎
 AACAかんさい委員会08年のメイン行事『何有荘の一日』は5月31日無事終了しました。ご参加いただいた会員の皆様、ご協力いただいた方々に厚くお礼を申し上げます。小雨の中、生命力を競うような緑に包まれた中での皆様との出会いと語らいの数々は長く記憶に残ることになるでしょう。
 毎週のように、事件や事故、災害のニュースに追われている昨今、ケータイの無い世界の1日が如何にかけがえのない時間を造り出すか、改めて実感しました。私達個人個人は“自由”を求めながら、一方では個の不安に苛まれ、どこかに組み込まれ、組織に属していないと“安心”できない。この矛盾に、妥協を繰り返しているばかりの日常生活を見つめ直す機会になったのではないでしょうか。さらに超高層ビルが林立する都市風景の中で、“庭”の価値も「単に見て美しい」から「感じて美しく生きたくなる」と把え直すことに及びます。
 東方より友来たる 日がな酒を酌み交わし 『何有』を談ずる


何有荘の一日
  ■「何有荘の一日」の計画と顛末---正会員 寄神宗美
  ■何有荘(かいうそう)での私の『何もしない会』---正会員 林  茂
  ■何有荘終わって---横山晴美


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