第6回芦原義信賞奨励賞---アルテミス宇都宮クリニック



■審査講評
宇都宮市郊外で開発が進む商業集積エリアの中に建てられた産婦人科の診療所である。巨大なコンビ二エンスストアーなどが雑然と広がる街の中にあって、静かな胎内空間を思わせる楕円形の広場を内包した個室19床の小規模医院ではあるが、この建築は都市の中で壁のもつ意味を深く考えさせる。黒いコンクリート壁で外部との断絶を計りながらも、道路側の斜面に植栽を施し周辺環境への配慮も計られ、囲われた広場には六本のやまぼうしの木が象徴的に立つ、その庭に面して、病院の諸施設、そして一般に開放されるプール、フィットネス、喫茶室が円形状に配置され、外界から守られた安らぎの空間を創り出している。
出産難民など社会問題視されている昨今、既に地域に根ざした産科医療施設を展開している理事長の高い見識と、設計者の熱意との協同で実現した建物であり、医療の在り方とともに都市のへの優れた提案として、街並みの研究家芦原義信先生の賞として相応しい業績と思われる。
村 井   修





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