写真撮影 DAICH ANO
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一階には「みるるAve.」という「通り道」がある。黒磯駅と市街地とを結びつける人の流れを想定したパブリックな空間として設定されている。「通り道」から外部ガラススクリーンに向かって天井までフレームだけの書棚が放射状に配置されている。外からガラススクリーン越しに館内部の様子や人の動き・活動が手に取るように見え、街に対し開くというイメージが伝わってくる。また、ガラススクリーン沿いに「森のポケット」と呼ばれる多様な使われ方を想定した吹き抜け空間が点在し、その場にたたずむと二階天井の多面体木製ルーバーが垣間見える。大きなガラススクリーンから溢れんばかりの外光が降り注ぐとても明るく快適である。書棚1段の高さは通常より一回り大きく設えられ、フレームと本の間にゆとりがあり、遠くまで見渡せる。開放的でありながらも書棚と書棚の程よい「囲われ感」も心地よい。「通り道」からだけでなく、どこにいても読書をしている様子や市民による様々な活動が垣間見え、本を媒体にヒト・モノ・コトの自然な交流が生まれてくるように思える。
二階は図書スペース、学習スペースなどがあり静的な空間である。天井の木製多面体ルーバーが大変美しく芸術的でもある。木製の書棚が低く抑えられ外周のガラススクリーンから柔らかな光が降り注ぎ落ち着いた心地よい空間である。
西側の道路側は駅側からルーバー状の軒の折れ屋根庇と屏風状に折れた大きなガラススクリーンがリズミカルに続き、前面の歩道状の広がりの中の縁側や植栽の設えが街に開かれたイメージを創り出している。
この「みるる」は内外共に大変魅力的な計画である。この新たなチャレンジ、建築や景観の有り様が、人を育み街の価値を高めることにつながると大いに期待できる作品である。