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aaca紹介

<東條隆郎会長 定時総会の挨拶>

 皆様にご報告があります。昨年から理事を務められていました 坂上直哉 会員(理事) におかれましては、本年4月27日にご逝去されました。坂上様には当協会の理事、情報文化研究委員会委員として、多大なご貢献をいただきました。深く感謝申し上げますとともに、心よりご冥福をお祈り申し上げます。

 さて、コロナ感染がようやく減少し始めました。様々な制約もここにきて緩和されつつあります。まだまだ十分注意が必要と思いますが、一日も早く従前のような日常が戻ることを願っております。
当協会の活動も2年以上続くコロナ禍のため様々な制約がありました。昨年は春・夏に開催予定の会員交流会、12月開催予定の設立記念会、AACAフォーラムなどは中止せざるをえませんでしたが、一昨年実施した連続講演会「地域創生が生み出す空間」・シンポジウムを基にした出版事業やBOX展、AACA賞、建物視察会、オンラインを活用した、景観シンポジウム、AACAサロンや情報文化研究委員会における調査・研究など実施することができました。これらは、会員各位の努力と工夫の賜物であり心より感謝しております。
この活動の中から少し印象に残ったお話をさせて頂きます。

 今年5月に行われた連続講演会第2弾の「地域創生が生み出す空間」講演会で取り上げられた「石見銀山」のある島根県太田市の中の「大森町」のお話を伺いました。「人口400人の小さな町から世界に誇れる持続可能な町へ」のテーマで、この町で様々に起きていることや、未来に向かっての取り組みについて興味深いお話をいただきました。

 この地域に住んでいる各世代の人々が参加する「石見銀山コンソーシアム」という「まちの交流の場」で様々な意見交換交流をし、住民それぞれが町について考えている事や、保育園児がこの5,6年で3人から25人ほどに増えている。若い世帯が増えてきている。UターンだけでなくIターンもいる。その中にはアート系の方々もいる。特にその方々がいることで街の力になる「感性」を高めることを学べることなど、大変興味深い内容でした。また、一昨年に開催された「兵庫県丹波篠山市・福井県堺市三國町・山形県金山町」のまちづくりについての連続講演会でも、それぞれがどのように地域活性化と環境つくりに取り組んできたかについての興味深いお話をいただきました。それぞれの取り組み・状況には違いがあるものの、そこには建築・美術・工芸・ランドスケープなど様々な方々が深く係わっていることが大きく取り上げられていました。

 当協会の理念にある、「建築・美術・工芸に関わるあらゆる分野の人々が集まり、連携し交流し文化と芸術性の追及と情報の発信を行い健康で文化的な空間創造に寄与する」ということが実践され、街つくり・環境づくりの力になっているということを再認識いたしたところです。

 さて、後程昨年度の決算の報告がありますが、残念ながら、2年続けて赤字決算となっております。コロナ禍に伴い事業の集客が厳しく収入減が原因と考えています。

 令和4年度はコロナ感染が収束しつつあると思います。当協会の各事業におきましては、この2年間での経験をもとに、多くの会員の皆様が参加し交流できる活発な活動をしていきたいと思います。ありがとうございました。

令和4年8月
一般社団法人 日本建築美術工芸協会 会長 東條 隆郎