ユニオン探訪の足跡------(平成18年11月22日訪問)
プロローグ
ユニオンの東京ショールームは日本橋にある。近頃話題のお江戸日本橋のすぐ近く。本社は大阪となると、まさに越後屋を始めとして江戸時代に各地の大店が日本橋に出店を競ったことと重なる。
成り立ちは、大阪における建築金物最大手の西孫商店で修業した先代が、独立に当たってユニオンというドアハンドルのブランドを受け継ぎ、専門メーカーとしてスタートしたそうだ。

「工場を持たなかったのが良かった」
ショールームに並ぶドアハンドルは多種多様。マンションでよく見かけるシンプルで機能的なものから、コンサートホールなどで見かける重厚な手触りのもの、ウィットに富んだ楽しいものなどなど…。しかし、意外なことに、ユニオンは自社工場をもっていないそうだ。
普通に考えるとデメリットのようにも思えるが、「こんなドアノブが出来ないか」と言う発注に対して、対応できる伝統的な技を持つ職人や技能者、素材までも自由に選べたからこそ、いまのユニオンの評価があるという。「要望の中で職人は育つ」と立野社長。ナルホド、納得。
効果的なライティングが美しいショールーム ショールームを案内してくれたのは
営業開発部部長の土屋さん

「建築家が作り手を育てた」
では、そのような要望を出したのは誰だったのだろうか?
村野藤吾氏らの時代の建築家は、ディテールにこだわりをもって「こんなことはできないか」と職人と一緒に考えて作っていった。今はイメージを言って、メーカーに任せてしまうそうだ。
これでは良いものはできないし、職人や技術者は育たない。職人を残すためにも、建築の方たちにもう一度がんばって欲しい。こうした建築家ともの作りの橋渡しとして、aacaの役割はより大切になってくるのではないだろうか。

「職人を育てるには職人の地位を向上させる必要がある」
あらゆる分野で腕の良い職人が高齢化を迎え、素晴らしい日本の技術が継承されていない。その大きな原因の一つとして、職人の地位が低いということがあげられる。立野社長は「職人=下請け的なイメージが強く、収入も低い。マイナスイメージばかりでは、若い人が職人に憧れ、継承したいと思うわけがない。ある面で対等になるように職人の地位を向上させることを行っていくべきだ。」と熱く語ってくれた。
こうした話しの中から<aaca賞‐職人バージョン>を作ったらどうかと言う話しも・・・。自ら"ユニオン造形文化財団"を創設し、文化の伝承に貢献されていればこその発想だ。
ユニオンでは、「売れなくても良いからアピールする商品を必ず出す」と、"ロマンテシリーズ"に代表されるような日本の伝統技術を生かしたドアノブなどを開発。職人育成と地位向上に前向きに取り組んでいる。

「国が変わればお客様の要望も変わる」
このようなユニオンが、このたび初めて自社工場を中国に建設。
中国市場の開発は国内企業の大きなテーマだが、日本の手法がそのまま通用するわけではない。中国ではデザインより、今は価格が重視されている。そのため、国内で製造するのはムリと判断し、東南アジアへの輸出もにらんでの決断だそうだ。いずれ中国も高度成長期が終わって文化成熟期に入れば、もう少し余裕が出て、こだわったもの作りへも目が向くだろう。
スライディング様式(襖、障子)だった日本において、扉を「引く」という、ドアハンドルの文化を建築に定着させてきた歴史をもつユニオンの今後に期待したい。












とってもユニークな"とって"たち


ユニオンの皆様、ご協力どうもありがとうございました。
(右から3人目が立野社長)




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