ユニオン探訪の見学者一言感想
■坂上直哉
 現在、クラフトマンの社会的地位が著しく低下していると言う、立野社長の話がとても印象的でした。その点で私見を述べさせていただくと、日本と西欧の一つの文化の共通点は、職人=クラフトマンの社会的地位が高かった事です。 西欧の早期の工業化の一因は技術を知的技法と経験的技法に分け、知識の下に技能が置かれた事により成されたと言われています。
 その後、結果として何故か西欧は工業化以前と同様にクラフトマンの社会的重要性は失われていない、顧みて日本の状況を省視すると、立野社長の言われる通り大工、指物師、左官、ガラス、鋳物、木挽等々、果てしなく職人気質と芸が失われている。横断的組織であるaacaの、大切な課題と認識させられました 。


■露口典子
 気に入ったボタンを見つけると、そのボタンにあったデザインの洋服をつくるという友人がいた。今考えるとナントお洒落で贅沢なことか。
 建物全体からしたらほんの一部、小さなドアハンドルを「建物の顔」と立野社長は言われた。それならば、お気に入りのドアハンドルに合わせて家をつくることも夢ではない。せめてマンションの、いや自分の部屋の扉に「myドアハンドル」をつけるというのはどうだろう。街も建物も殺風景になってきている昨今、建築家だけではなく、施主も、一般消費者も、まずは「こだわり」のあるモノを身近に置くことが、多くの技師(わざし)たちを支えることになるかもしれない。

■高城和文
 ドアハンドルは「引く」、「押す」、「曳く」という取手としての機能とは別に、“建物の顔”とも言えるアプローチの扉とともにその造形は視覚に訴えかけ、建築家とってデザインを構成する重要なアイテムである。
 一方では視覚的効果だけでなく、建築部材の中でも日常的に触れる-触角-にまでその評価がおよぶ数少ない存在だ。
 ユニオンでは、形状・色彩・デザインはもとより、伝統工芸を取り入れ、その素材感・加工技術にまでこだわりを見せる。
 建築物の“画竜点睛”までドアハンドルの存在感を高めた功績は大きいのではないだろうか。

■鮫島貴子
 ユニオンさんのショールームへは、浮世絵の版画セミナーの時に伺い、文化活動に熱心な企業だという印象は強かったのですが、今回立野社長に直接お話を伺って、ユニオンさんの企業姿勢がよくわかりました。事業として利益を考えないわけにはいかないけれど、その背景を支える文化というものをより良く継承、発展させるための努力もしていかなくてはならない。〜立野社長はaacaの理事なので、会の新たな活動にもお力をいただければと思いました。