| ◆平田顧問に訊く |
 |
□ヨーロッパでの体験
平田顧問は、aaca元副会長・故内井昭蔵先生と知己の間柄で、その昔、一緒にヨーロッパを訪問された。 その際、教会建築の変遷(カソリックの装飾性とプロテスタントの無装飾性)を目の当たりにされ、装飾への思いを新たにされたことなどを熱く語っていただいた。 |
□求められている個人住宅の装飾
昭和20年の敗戦を境にして、日本国中に洋風建築が入ってきて以来、個人住宅の世界では、日本建築の欄間も含め、どんどん”装飾”は姿を消していった。そうした中で、みはしはホテル、セレモニーホールなど(豪華客船も)を中心に地歩を固めてきた。そしていま時代は変わり、個人住宅にも少しずつ”装飾”の意識が芽生えてきた。青山のショールームは、こうした動向を踏まえ、より細かなエンドユーザーのニーズに応えるべく新宿に次いで昨年(平成18年)開設された。皆さんも、是非一度訪れて、みはしワールドを体験してもらいたい。 |
□カタログがセールスマン
販売先の70%は商業施設、文化施設、冠婚葬祭施設など。自動車や家電、ハウスメーカーは、マーケッティングをして商品開発をしているが、装飾は一品一品特殊品。セールスマンが客の要望を聞いて販売、開発を行っているという。
ところが、セールスマンはたった10人と聞く。それでも装飾分野で日本中に名前が知られている秘訣は、スタンダードになるものをカタログ化しているところにある。年に1回必ず更新。全国の設計、インテリア会社に配付され、その数ナント約20万件だそうだ! |
□建築生産文化
みはしの、一つ一つのユーザーニーズに真摯に応えて来たことによる無数のアイテムの財産化、あるいは公害の出る物をつくらない徹底した品質管理等々といった生産の姿勢には頭が下がる。昔は現場のそばには様々な加工をしてくれる業者がいた。今はそのような便利なところがなくなったため、何もかもがみはしに持ち込まれてくる。ライフスタイルともに変化していく建築にどう対応していくかは、常にみはしの課題だ。
これまでに訪問した各企業の生産姿勢も考え併せると、どの分野もトータルとしての文化の一部門であり、「建築生産文化」という側面が、もっとクローズアップされてもいいように思えてくる。このことは建築と美術と工芸(工業)の連携を標榜するaacaにも大切な視点だ。 |
□時代の転換期
モールディングに使われている材は「アユース」という木だそうだ。表面に節や木目がないので装飾材として使いやすい。と言うことは、四季がある日本の木ではない。今問題になっている熱帯雨林にしかなく、貴重な材になりつつある。木材に代わる石膏が検討されている理由がそこにある。
また、環境汚染の問題から、塗装ナシの方向に時代は向いてきた。単価そのものは高いが、塗装しないでも取り付ければ済むという商品開発の必要性もあるようだ。 |